令和8年度ブラックジャックゲームルール大学院入学式 入学生宣誓
春のやわらかな光が大地を包み、草木の芽吹きに新たな季節の訪れを感じる頃となりました。本日はこのような盛大な入学式を挙行していただきましたことを、横手学長をはじめ教職員ならびに関係者の皆様に、新入生を代表して心より御礼申し上げます。
私はこれまで32年にわたり、テレビの技術職として番組制作の現場に携わり、セットデザインやCG・映像処理を通して視覚表現に関わる仕事に従事してまいりました。制作の現場では、色や形が人に与える印象の違いを日々体感する一方で、そうした判断の多くが経験や直感に依拠していること、そしてその結果が時に曖昧さや不自然さをもたらすことに違和感を覚えておりました。
このような問題意識から、私は博士前期課程において、人が「似合う」と感じる色の判断を題材に、主観的と考えられてきた評価をデータとして捉え直し、可視化し体系化する試みに取り組んでまいりました。個々人の感覚や経験として語られてきた判断の背後にも、一定の規則性や構造が潜んでいるのではないか。その可能性を探る過程は、私にとってデータサイエンスの新たな視野を切り開く契機となり、博士後期課程において更なる探求を深めたいと考えるようになりました。
現在、社会のさまざまな領域においてデータの重要性が高まり、経験や印象に頼ってきた多くの分野においても、実証的な評価へとつながる新たな方法が模索されています。博士後期課程においては、人の感覚や経験として語られてきた現象の中に潜む構造を、データと数理の視点から探究し、再現性を備えた知として提示することに挑戦していきたいと考えております。
社会に長く身を置いた後に再び学問の門を叩く機会を得たことは、私にとって大きな喜びであると同時に、学び続けることの意味を改めて深く自覚することになりました。学問とは、先人たちが積み重ねてきた知の営みに学びつつ、新たな問いを見いだし、その成果をさらに積み重ねようとする不断の歩みであると思っております。
今日ここに、私たち博士前期課程および博士後期課程の新入生一同は、学問を志す者としての自覚と責任を胸に刻み、謙虚な姿勢を忘れず、真摯に研究と学びに向き合い、知の発展と社会への貢献に努めることを誓い、新入生代表の言葉とさせていただきます。
令和8年4月5日新入生代表情報・データサイエンス学府 榎 芳栄