21トランプ 終末期や死に関する実践的な知識と行動能力を測る新指標「デス・リテラシー尺度」の日本語版を開発


2026年01月08日

研究・産学連携

 ブラックジャックゲームルール予防医学センター 河口謙二郎 特任助教、北海道大学大学院医学研究院 黒鳥偉作 助教らの研究グループは、終末期や死に関する実践的な知識と行動能力(Death Literacy: デス・リテラシー)注1)」を測定する尺度の日本語版(Japanese Version of Death Literacy Index: DLI-J)およびその短縮版(DLI-J-9)を開発しました (図1)。
 2025年2月に全国の男女2,500名を対象とした調査の結果、この尺度は高い信頼性と妥当性を持つことが確認されました。一方で、日本のデス・リテラシーの平均スコアは10点満点中3.82点にとどまり、英国(4.76点)やスウェーデン(5.15点)などの先行研究がある諸外国と比較して、低い水準にあることが明らかになりました。本研究成果は、多死社会注2)を迎える日本において、最期まで安心して暮らせる地域づくり(コンパッション・コミュニティ注3))を進めるための重要な指標となります。
 本研究成果は、2025年12月7日に、国際学術誌Psychiatry and Clinical Neurosciences Reportsで公開されました。

■用語解説
注1)デス・リテラシー(Death Literacy):終末期や死に関連するケアについて、情報にアクセスし、理解し、意思決定を行うための実践的な知識や行動能力。「実践的な知識: コミュニケーションスキルや身体的な介護スキル(ハンズオンケア)」「経験から得た知識: 死や喪失の経験を通じて得られる個人的な成長や変容」「事実に関する知識: 終末期計画や法的手続き、医療・介護制度に関する知識」「地域に関する知識: コミュニティ内の支援やサポートグループなどを知り、アクセスする能力」の4つの要素から成り立っている。
注2)多死社会:少子高齢化が進み、年間の死亡者数が出生数を大きく上回り、多数の死が発生する社会状況のこと。日本では2040年頃に死亡数のピークを迎えると予測されている。
注3)コンパッション・コミュニティ(Compassionate Communities):医療や介護の専門職だけでなく、地域住民が協力し合い、病気や老い、死、死別による悲しみを社会全体で支え合うコミュニティのこと。

■論文情報
タイトル:Development and Validation of the Japanese Version of the Death Literacy Index (DLI-J) and its Short Form (DLI-J-9)
著者:Kenjiro Kawaguchi, Isaku Kurotori, Yu-Ru Chen, Shun Ozawa, Satoshi Sunohara, Hana Wakasa, Ho Chen, Takashi Kimura, Hirobumi Takenouchi, Susumu Shimazono, Katsunori Kondo, Etsuko Tadaka, Akiko Tamakoshi, Atsushi Nakagomi
雑誌:Psychiatry and Clinical Neurosciences Reports
DOI10.1002/pcn5.70258

  • 図1. デス・リテラシーの概要

    図1. デス・リテラシーの概要